天使のしずく


「あいり」
優が私の手を掴む

「何?」

「あるよ
一人ぼっちだって
感じた事



父と母が亡くなってから

ずっーと
一人ぼっちだったよ


でも逃げてちゃだめなんだよ


向き合わなきゃ
向きあったら
今は母も父も
天国で見守って
くれてるんだろうな
って思えるように
なったよ」


向き合う?


私はふと
机の片隅に
しまった

小さなピンクの
封筒を思い出す

利人……


私はずっと
一人なんかぢゃなかった


いつだって
天国から見守って
くれてたんだね


ありがとう

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