天使のしずく


「今日ね
彼氏のいとこと
会うの

でね どっち

着ていこ−
かなぁって」


「いとこ?
いとこに会うぐらい
なんでもいいぢゃない

お母さんに会う
わけぢゃ
ないんでしょ?」


「私の彼氏
お母さんも
お父さんも
いないの!!
だから
その人が
家族みたいな
人なんだって」

「あらぁ……

そうねぇ……


こっちの方が
いいんぢゃない?」


「ありがとう」

私は微笑む


この時は

まだ知らなかったの


優の心の傷も

真理の病気も

何も知らなかった


何も知らなければ


私は毎日幸せで


笑っていられたのに
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