天使のしずく
「で
何の用事よ」
私は机にひじを
ついて
寝起きのボサボサ
頭を片手で
いぢりながら
ゆりに聞く
「いえ……
特に用事は……
ないのだけども…」
「何突然私の
顔が見たくなったぁ?」
にぃっと
いたずらっぽく笑う
「そうなの!!」
「…あらまぁ
素直でよろしいわね…
ちよっと
ツッコんで
欲しかったわ……」
さっきまでの
いたずらっぽい
笑いから
苦笑に変わる
「ゆりはさぁ
私の事うらんだ
事とかないの?
だってさ今まで優の
事好きだったのに
突然ぽーんって
でてきた子に
とられたわけ
ぢゃない?
私なら一生うらむわ」
ゆりがにこっと笑う
ゆりの天使みたいな
優しい笑顔は
紛れも無く
美咲から
きたものだった
美咲という
消したくても
消せない存在
消せなくてもいいの
必ず越えてみせるから
きっと
越えてみせるから