天使のしずく
10分ほどして
私はもう一度ドアを
開ける
「あ♪
ゆりお帰り!」
ゆりは思ったより
へこんでなかった
むしろ
満足そうに
堂々と
清々しい
顔をしていた
私達は優の病室を出る
「んー
すっきりしたぁぁ」
「よかった」
「ん?」
「ちゃんとゆりが
気持ち伝えられて
よかったぁぁ♪」
「あいりのおかげ!」
私は少し照れながら
「やっぱり
ゆりは私の天使だよ
はかなくて
頼りなくて
つい守りたくなっちゃう
ゆりは
自分の事を
逃げてばっかで
弱くて汚い
人間だなんて
言ったけど
私逃げるのも
強さだと思うの」
「え?」
「だって
誰にも
伝えないで
ずっと一人で
抱えてきたんでしょう
優に迷惑かけないように
それも
一つの
強さぢゃない?」
私はにこっと笑う