天使のしずく



「あぁいりぃ?
どうしたのぉぉ?」

「何もないよ−」

私は
彼女の方とは
反対側に
歩きだす

「あいり!!」

私は後ろから
名前を呼ばれて
振り返る

「あんさ

返信くれなかったり
電話でてくれなかったり
した理由教えて!

気になっちゃうぢゃん?

あ!!

なんか
俺うざい?」

優に出会った日の事を
思い出す

一人でぺらぺらしゃべるのは優のくせだ

「美咲さん」

「え?」

「まだ忘れてないでしょ?」

「なんで美咲の事知ってんの」

「アルバムを
部屋から発見したの

ごめんね」

「別に
今はあいりがいるから

なんで
そんな事

思うの?

俺の事信じてないの?」

「直感……

私と優は
似てるでしょう?」

「は?」

「だから
分かるの

なんとなく

私もそうなの

昔彼氏を

亡くしたの」

「え?」

「簡単に消えないよね

大切だった人って

私は
ずっと彼が
いなくなってから
一人ぼっちだって
思いつづけてきた

でも優は

私を受け止めてくれた

一人ぢゃないと
思わせてくれた」
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