天使のしずく
「さぁ
まずどっちに
入る?!?」
「ちょっと待て
隣の部屋同士って
どういう事よ?!
なにこれ?!
運命?!?!」
「ゆり
うるさい」
私は真理の病室
のドアを開く
「こ…こんにちわ−」
ゆりの顔がひきつっている
「こんにちは」
真理はなんともないようにさわやかに返す
ゆりはほっとしたように
笑う
「あの………
もしかして昔バンド
やってません
でしたか?」
真理がゆりに聞く
「やだぁ
ゆりがバンドって!!
まさか!!」
「うん
やってたよ
ちょっーとだけ
高校の時♪」
「やっぱり!!
小学校のとき
文化祭で見て
感動して!!
それでバンド
始めたんです!!」
いつもは冷静な真理が
興奮している
私はちょっとゆりを
うらやましく思いながら
ゆりがバンドをやっていた事にア然としてしまう