だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
プラプラと、ただひたすら歩いていた。


普段見慣れた街が、目的もなく歩くと、違う街に思えた。


私はそれだけ、脇目も振らずただただ真っ直ぐしか見ないで、歩いていたのだと、今更ながら思う。

それだけ、必死だったのかもしれない…


何に必死?と言われれば、何に?と考えあぐねてしまう。


しかし、それだけ何も考えない時間が、私には必要だったのかもしれない。


何も考えない時間。

なのに今は、時間が充分に余っていた。



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