だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん！

「あの…。まだ、お時間ありますか？良かったら、話し相手になって貰えませんか？」

「はぁ…」
私は、曖昧な返事をした。

すると、その返事を良い方へ解釈したらしく、逆光で顔が見えない主は、私の隣に座った。
そして、私に話しかけた。

「家は、近くなんですか？」

「はぁ…」

「そうですか。実は、僕も家が近くで、たまにこの公園に来るんです。良い所ですよね」

「はぁ…」
手持ち無沙汰の私は、持っていたお茶を飲もうとしたが、さっきすっかり飲んでしまった事に気付き、空のペットボトルを持て余した。


それに気付いた主は、「ちょっと、待って」と言って、私の空のペットボトルを手にして自販機へ向かった。

後ろ姿を見送った私は、ため息を吐いた。

久し振りの緊張…

男性と、一対一で離すのは久し振りだった。


あの頃の感覚が蘇る。
それと同時に、嫌な思いでも鮮明に蘇ってきた。


私は、慌てて両手で耳を塞いだ。