だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
「それじゃ、そろそろ行くかな。ありがとう、話し相手になってくれて」
佐々谷圭介は、立ち上がり私に手を上げて去っていった。

私は、頭を下げるのが精一杯だった。


佐々谷圭介の後ろ姿を、ぼんやりと見送る。

長身とは言えないが、ソコソコに背が高く、私服のセンスも良かった。
歳は、40歳前後だろうか?

あの人懐っこい笑顔に、また会いたいと思った。

しかし、大抵の人は結婚している年代だ。

深入りするのは、やめよう…



「さっ、私も帰ろうっと…」
独り言を言って、立ち上がった。




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