だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
― その日の夜 ―

私は、湯船にタプリとぬるめの湯を入れ、長風呂に入った。


ローズの香りの入浴剤が、心地好い。

目を瞑り、今日の出来事を思い返す。

… 佐々谷圭介 …

彼の名前が、頭から離れなかった。


― ダメダメ ―

私は、彼を忘れようと首を振った。


― ア~ア~ ―

ため息を吐いて、お風呂場の天井を見る。


― アタシ、何してるんだっ!もう… ―

湯船に潜り、何度も何度も「もうっ!もうっ!」と思いながら、息が続くまで潜った。




< 112 / 243 >

この作品をシェア

pagetop