だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
「ねぇ、君。この後、何か用事ある?」
帰り支度をし始めた恭子に、佐々谷圭介は慌てて声を掛けた。


「えっ?いえ…。特には」
私は、ドキドキしながら次の言葉を待った。

「なら、その…。お腹減ってない?」

「えっ?」

「いや~、その~。近付くに、美味しいパスタのお店があるんだけど…、どうかな?と思って…」
佐々谷圭介は、照れながら私の返事を待った。

「はい…。連れてって下さい」

「そう?いいの。良かったぁ~」


佐々谷圭介の純粋そうな仕草を見て、私は嬉しくなった。


イイ人なんだ。
と思った。


しかしまだ、私の警戒心が解けるまでには時間が掛かった。




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