だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
「う…そ…」
私は青ざめながら、ペタッと床に座った。


「恭子?恭子、大丈夫?」
赤ちゃんが泣き叫ぶ中、恵は電話越しに問い掛けた。


恵が、赤ちゃんをホって置くぐらい大変な事を、私に報(しら)せてくれたのだ。



「恭子?恭子、どうした?」
圭介が、シャワーから上がってきた。
テレビを見て、放心状態の私を見て声を掛けたのだ。

しかし今の私には、電話越しの恵の声も、圭介の声も届かない。

体が勝手に振るえていた。

自分で自分を抱き締めても、震えは治まらない。


― 助けて…

― 誰か、助けて…



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