だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
「会社も、事情を説明して暫く休ませて貰うんだ。いいね!」

「はい…」

「じゃ、早く電話して!」

「えっ…」

「えっ!じゃない。早く!」

私は圭介の監視の元、上司に連絡をした。
事件が事件だけに、有給扱いで何とか処理をしてくれる事になった。
私は何度も、上司にお礼を言って、電話を切った。

電話を終えた私は、ため息を一つ吐いた。



考えたくない。
なにも…。

なにもかも、嘘で合って欲しい…



涙が知らず知らずのうちに、溢れ出す。


圭介は、私を後ろから優しく抱き締めた。

「大丈夫。心配しなくても。必ず、僕が恭子を守るから…」
私の耳許で、圭介はそっと囁いた。


「この事件が解決したら、結婚しよう」
圭介は、いきなり突拍子も無いことを言った。

「えっ…。うそ…」

「嘘じゃないよ」
そう言って、私の薬指に指輪をする、圭介。


私は圭介にしがみつき、更に泣きじゃくった。



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