だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
「恭子…。どこまで行ったんだ?」
圭介と相ちゃんが、私を探しに外にやって来た。


「恭子!」
「恭ちゃん!」

二人は、淳也が私の首を絞めている所を見つけ、私の名を叫んだ。


「チィッ!」
淳也は、舌打ちをしながら、首を絞めていた手を離した。

私はその場に崩れ、一生懸命に息を吸って咳き込んだ。


「来るな!近寄ったら、恭子を殺す。そして、俺も死ぬ」
今度は私の喉に、冷たいモノが触れた。


「止めろ!何が、目的だ!」
圭介が、必死に淳也に語り掛ける。


そして、警官もこの騒ぎを聞き付け、ぞろぞろとやって来た。


「じゅ、淳也さん…」
苦しさを堪え、私は淳也に語り掛けた。


「なんだ、恭子?」

「止めて…、自首…して…」

「自首?何故だ。俺はお前と一緒になる為に、ここに来たのに何故?そんな事を言う」


首に鋭い刃を押し付けられ、微かな痛みを感じた。


「止めてくれ。恭子を、離すんだ」
圭介が、淳也にユックリとすり寄った。


「来るな!お前は、恭子のなんだ!」
圭介にナイフを付きつけ、威嚇した。

「恭子と、付き合っている。そして、結婚を約束した。もう、指輪も渡した」

「そうなのか?恭子!俺がいるのに、なんでだ!」

「あなたとは、終わったの!私は、圭介さんが好きなの!愛してるの!」

「なにぃ!」


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