だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
鈍い痛みが、私の全身を襲った。


… イタタッ …

えっ! 痛い?

痛い、という事は…
私は、生きている?


どういう… こと…?


朦朧(もうろう)とした意識が、ユックリ覚醒されていく。


そして、私の上に覆い被さった圭介がグッタリしていた。


「圭介…さん…?」
私は、圭介を抱き抱えた。
すると、私の手からベットリと深紅な血が…

「恭子… 無事…か…?」
朦朧(もうろう)とした意識の中、圭介が私に話し掛けた。

「ダメ…。喋っちゃダメ…」
私は泣きながら、声を振り絞り圭介を抱き締めた。

「良かった…。無事で…。」

「圭介さん…」

「…ォレ…な…、恭子…に、会えて…嬉し…かった…。生きて…くれてて…。無事で…よかっ…」
圭介の意識が、無くなった。


「イヤ…。私を置いて行かないで…」
声にならない声で、泣きながら叫んだ。



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