だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
長く感じた階段を下りきると、また扉が現れた。


「ねぇ、恭子ちゃん…」
先輩は難しい顔をして、私を見た。


「はい…?」

「嫌だったら、いつでも帰ってイイのよ。その代わり、今日見たことは秘密にしておいて。ヒカリにも…」

「えっ?」
…何があるの?秘密って。嫌だったら、帰れって…

先輩に聞こうとした唇は、「大丈夫です…」と、勝手に答えていた。

頭と口がバラバラになって、『見たい』という好奇心が勝っていた。


「分かった。じゃ、入るね…」





< 214 / 243 >

この作品をシェア

pagetop