だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
「恭子ぉ~。飲んでる?」

…へっ?

ヒカリの先輩の変わりように、私は戸惑った。
私に瓶を差し出し、グラスにワインを継ぎ足した。
並々にワインを注がれたグラスから、赤い液体が溢れ出す。
そして、ベージュの絨毯を汚したのだ。

そんな私の姿を見ても、先輩は気にはしない。
まるで、見てないかのようにも思えた。


「せ、先輩は、みんなと知り合いなんですね…」
ワインを気にしながら、先輩に聞く。

「やっだぁ~。恭子ったら~」
バンッ。
と、肩を叩かれる。

また、ワインが零れる。


あっ…

先輩は、軽く叩いたつもりだったらしい。
でも、叩かれた私は物凄く痛かった。
そしてまた、ワインがグラスから勢いよく飛び散った。


あっ…。


また再度、肩を叩かれる。


私は、『あっ…』としか言えずに、肩の痛みと、ワインで汚した手と格闘した。


それでも先輩は、気にすることなく更に絡んできた。


相当、飲んでいるらしい…。





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