だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
「……はい」

「あっ、恭子ぉ~。今、何してるの?」

「えっ?い、今ですか?え~っと…その~、帰りです…」

「あっ、会社帰りなの?遅くまで、大変ねぇ~」

「あっ、そっ、そーなんです…」

「分かったわ。じゃ、気を付けて帰ってね」

「あっ、は、はいっ!」
緊張し過ぎて、警察官みたいな返事をしてしまった。
元気すぎる声は、駅界隈に響いていた。

自分の声にビックリした私は、赤くなる。

「あっ、そうそう。恭子、今週末は来るのよねぇ~?」

はいっ。
と、返事をする度に響く声。
私って、こんなに声大きかったっけ…

周りを伺いながら、早々とルリ子の電話を切り、ため息を吐いた。

別に、会社帰りに買い物をしている。
と、ルリ子に言ってもいいハズなのに…

でも、言えない…

『何で、勝手に?』

『えっ、そうなの?じゃ、私も今から行く。』

みたいなコトを言われても、困るからだ…


別に、悪いコトなどしてないのに…





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