だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
―― 次の日 ――

私は、何時もの様に出社した。

携帯の電源は、OFFにしたままだった。

私は、仕事に集中した。
何もかも忘れるには、仕事が一番だった。


しかし、その仕事も一本の電話で邪魔される。



「恭子さん!一番に電話でーす」
後輩の娘から呼ばれる。


「あっ。ありがとう」
私は自分の席に戻り電話に出る。
「はい。お電話、替わりました」

「恭子、恭子か?」
振り絞りながら出す、暗く沈んだ声。
淳也だった。

「困ります。会社まで電話されても迷惑です!」
私は、周りを気にしながら声を潜め、淳也に言った。

「恭子…。なぁ…、恭子?聞いて欲しいんだ。頼むから、話を聞いてくれ」
淳也は、電話越しで泣き出した。

「ちょ、ちょっと!そんなコトされても困る。もう、話しは終わったハズよ」

「話しはまだ終わっていない。恭子が、一方的に話して電話を切ったんだろ!何度も、折り返し電話をしたのに電源が切れたままで、俺の気持ちをまだ伝えてないのに…」
淳也は、苛立っていた。



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