だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん！

「私はもうお話しするコトは、何もありません。迷惑です。私達は、終わったんです。会社にも、電話するの止めて下さい」
私は早口で淳也に伝え、また一方的に電話を切った。


… ハァ …
ため息を吐いた。


スマートな男だと思っていた。
こんなに、執着するとは思わなかった…。


「何かありました？」
電話を繋いでくれた後輩が、私の様子を見て声を掛けてきた。


「あぁ…。別れた彼が、ちょっとしつこくて…。困ってて…」

「大変ですね…。さっきの男の人ですよね？」

「えぇ…」

「また、電話が来たら上手く言って、切りますね」

「ありがとう…」

「任して下さい！」
ちょっと楽しげな後輩は、ドラマみたい！という顔をして、自分の席に着いた。


さっきの電話で重い気分の私は、後輩の能天気さに少し気持ちが軽くなった。


しかし、また電話のベルが鳴り響く。

ドキッとしながら、私は後輩と目配せをする。


何時まで私は、電話に怯えながら生活を強いられるのだろうか…