だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
3人共黙ったまま、それぞれ考えた。


その時、誰かの携帯が鳴った。


携帯の着信は、恵でも相ちゃんでもなかった。

そうすると、私しかいない。

また恐怖のあまり、凍りついた。

暫くはホッておいた。
が、留守電を解除した電話は、何時までも無駄に鳴り響く。


「恭子、電話貸して」

えっ?
と言う間に、恵が電話に出る。



― もしもし。淳也さん?

― 恵です。

― いい加減にしたら?恭子は、迷惑しているの。少しは、分かって上げたら?

― 関係無いって?関係あるわよ、私にも。大人でしょ?会社にも、電話して。

― 恭子?居るわよ。電話に出たくないって。

― 嘘じゃないわよ。

― なんで淳也さんは、自分ばっかりなの?恭子の気持ち、考えた事ある?

― それって、恭子が好きって言う事じゃなくて、自分が好きなのよ。言ってる事、分かる?



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