今宵も カクテルバー
 「飲んじゃったじゃん」
ママに小声で訴えたが、
ママは、大笑い。

困ったぁ。
下向いていよっ。

お願いだから私の隣の席の
白髪の紳士さん、帰らないでね。

なんて、私の思いも届かず、
帽子をかぶり、帰って行った。

瞑想にふけっている仕草を
しているのに、
“あちらの紳士”が私の隣の席に
移って来た。

 「こんばんは。」

 「・・・ ・・・」

 「よく、このお店には、
 いらっしゃるんですか?」

 「え・ええ。
 先程は、カクテルごちそうさま。」

 「いいえ、気持ちです。」

 
 そんなぁ~。


< 3 / 37 >

この作品をシェア

pagetop