届け、想い
メイとリコと共に学校を出る。
リコは相変わらず私の恋敵説を捨てようとはしない。
私は少しずつ不安になってきた。
だけどそれは、的中することになったんだ。
「ああ、沙羅ちゃん。ちょうど良かった、こっちこっち。」
事務所に入るなり、私は藤堂さんに呼ばれた。
「この子、新しいアルバイトの子で永瀬千秋さん。」
「永瀬千秋です。よろしくお願いします。」
そう言って永瀬さんは頭を下げた。
高い身長にスラッとした体型。
顔立ちも綺麗で、彼女は、そう。
『完璧』
だった。とても大人びていてまるでどこかのモデルのようだった。
瞬間、リコの言葉が脳内を過る。
さーて、サラの恋敵でも見に行くかな
もし本当に恋敵だったら?
私、勝てる気がしないよ。