届け、想い
藤堂さんは続けた。
「で、彼女が雨宮沙羅ちゃん。同じアルバイトだから仕事は沙羅ちゃんに教えてもらって。」
「はい。」
「沙羅ちゃん、じゃあ永瀬さんのこと、よろしくね。……沙羅ちゃん?」
「えっ、あ、はい!」
いけない、ボーッとしてた。
私がボーッとしてるから、藤堂さんは不思議そうにしていた。
しかし、すぐに藤堂さんは永瀬さんに仕事の説明を始めた。
待っている時、私……分かっちゃったんだ。
今の永瀬さんの顔が紅いことが。
どうしてこうなっちゃうのかなぁ……。
私、絶対に勝てないよ。
諦めるしか、道はないの───…?