七日間彼氏。




「愛里せーんぱい!おはようございます!」

「ぅわあっ」


愛里は突如現れた自転車をおしている由貴の姿に驚く

かと思えば慌てて不自然な挨拶を返した


「おはっおおはよう!!」

「朝から元気っすね!俺あんまり寝てなくて…」


大きな欠伸をして眠そうにする由貴を見た愛里は胸に小さな電流がながれたみたいにドクンとなった


(うわぁ…何これ…)


うーとうねっている愛里を愛おしく見つめていた


「今日、久しぶりに部活休みなんすけど…一緒に帰ってもいいですか?」


少し高いところからの目線を浴び顔がどんどん赤くなるのがわかった


「え…ぁ…うん」


そんな表情を見せながらも内心嬉しいという気持ちに満たされていた


「あっ」


自転車の音が鳴り止み不思議に思った愛里は振り向いた

由貴が自転車にまたがっている


「後ろ乗って下さい」

目を点にしている愛里に由貴はもう一度いう

「学校まで距離あるし後ろに乗って下さい」

「え、でも私重いしいいよ!!」

「乗らないならおいていきますよ?」


愛里はま、待って!とどもりながら慌てて自転車にまたいだ

「しっかりつかまってて下さいよっ!!」


そう言って勢いよく自転車が走りだした

あまりにもいきなりのことだったため気づけば愛里は由貴のしがみついていた

(やべ…)


由貴はにやけを抑えようとがむしゃらに自転車をこいだ

そんな口角がぴくぴく動いている由貴の姿を愛里は見逃さなかった
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