PureLOVE〜キセキの確率〜

<駅>

寝台車を降りて、君のいる病院の近くの駅に行く鈍行を待つ。


まるで永遠みたいに感じる。


心臓がいたい。


何かがぎゅっと僕の心臓を掴んでいるみたいだ。


そいつは「不安」て名前の困ったやつで、それを振り払うためにヘッドフォンをして音楽をかける。


君と僕の大好きな「ホフ・ディラン」


僕等は、そのアーティストが好きで、お互いのblogに興味をもった。


「好きなものが似てる」っていうのは、会ったこともない僕等の距離をぐっと近づけてくれた。


心の距離を…


ああ、電車こないな…僕は意味もなく想像する。


君が僕と同じ教室にいるところを…


しかも後ろの窓際、隣の席にいる君は寝ている。


5限目の授業、差し込む陽射し、ゆれるカーテン…


なんて…


次の列車に乗ったらもうすぐ君に会える…


でもどんな顔して?


お見舞い用に買った花束はずっしりとした重みがあった。


僕はモスグリーンのダウンジャケットのポケットに突っ込んだ、君からのメールをプリントアウトした紙を取り出した。



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