PureLOVE〜キセキの確率〜

<莉子>

「ぼ、僕ははハゲでもデブでもないし、ましてやおっさんでもないっ!ま、まあちょっとイケメンとは言えないかもしれないけど…」


「うん、まあな、ひょろいし…」


そう言うと、リコさんはいきなり僕の持ってきた花束をひっつかんで取り上げた。


「なっなななな何するんですかーーー!?」


「僕、僕のっ」


「僕のなんだ」


「いや、はっ花…」


「アコにやるのか?」


「はい、まあ…」


「うーん、それは却下」


「な、ななななんでですか?」


そういえばこの人、そもそも何で僕の存在を知ってるんだろう?


そう、それ!なんか変だな…


アコさんの双子の姉妹?


なんか安っぽいドラマっぽくないか?


はっ!もしや、あのメールはすべて嘘?


僕がだまされて、のこのこやってくるのを待ってあえてこんな仕打ちを?


う、うーんサディスティック…


「あ、あんまりだ〜」


「ねえ、シンヤくん、今、今でちゃってるから」


「へ?」


「顔に、ぜーんぶ考えてること出ちゃってる」


「えっ!?」


「てゆーかね、ぶつぶつ言ってたし、聞こえたし」


「えっ!まじ!?まじで!?で、どうなんすか、あ、まじでそうなんすか?ねえどうなんすかー?」


リコさんが悪い微笑みをみせる。


「え〜」


僕はこの時、ちょっと泣いてたと思う。


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