魔王さま100分の1
おかげで、魔王さまの世話ができる日が先にのびた。

通常は7日塔に通って7日休むのが、これのせいで倍の14日の休みになった。

魔王さまには直接そのことを伝えたが、

「ふーん、許す。私は寝ている」

と、あっさり許されてしまった。

実際、シルキスが顔を出すまでずっと寝ているだろう。

少し拗ねてくれれば、魔王さまを優先する理由になったのに……。

まあ、運び屋さん達やその雇い主の店主さん達は、以前からの顔見知りだ。

シルキスは町一番の力持ちなので、この種の仕事はよくまわってくる。

それに護衛については、

「暴れ牛が……」

の一言で、仕方ないかと思ってしまった。

どうも、開拓地をはじめ少しずつ広がっている町の活動範囲が、暴れ牛の生息地に重なりつつあるらしい。
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