魔王さま100分の1
「何をと言われましても、僕自身はやっと20年生きたところで」

「それもそうだな。おまえを叱っても仕方ない。よし、扉のことはひとまず置いといてやる」

置いとくというのは、
魔王さまは自分で開けないでというお願いも含まれるのだろう。

が、それを言っても話が戻るだけ。
シルキスも了承する。

「しかし、魔王さまはここに来て本当に200年以上経つのですね」

「ほとんど寝ていたがな」

「で、小さいままですか」
「それはいいだろ」

魔王さまは、スキンシップの笑顔でがしがしシルキスの足を踏む。

本気ではないので痛くはない。

「それよりも服だ、服だ」

一通り踏み終わると、
笑顔のままで包みを開け始める。
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