魔王さま100分の1
「広げるならそこのテーブルの上にしてください」

「おう」

シルキスに言われて、魔王さまはテーブルの上に服を広げ始める。

「おう、おう、おうっ」

包みから出てくるのは、
色とりどりのいくつもの服。

魔王さまは、
一着広げるたびに歓喜の声をあげる。

「すいぶんと買い込んだな」

「買い込んだというほどではありませんが、少々の贅沢はしました」

「資金は、おまえの財布からか?」
「内緒です」

「ふふ~ん」

魔王さまはシルキスの返答を鼻で流すと、服のひとつをとって胸にあてる。

「似合うか?」

シルキスは、見たまま本当のことを答えた。

「とても」
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