魔王さま100分の1
「見てろ」

キーヤはリズを指差す。
と、その背後に緩く羽ばたく巨鳥が現れた。

「リズねーちゃん。私につかまって」

巨鳥の背で手を差し出すのはネーイ。

リズはご機嫌の顔でネーイを見ると、えへへとよろけた。

「リズねーちゃーんっ!!」

リズが屋根から真っ逆さまになって落ちる。

と、思った瞬間、リズは凄い勢いで上昇した。

「ばびゅーーーん」

自分の口で言っているとおり、一直線に空を駆け昇っていく。

「リズねーちゃーん!!!!」

追いかけていくネーイ。
リズの足先から細い雲が引いてる。

空を速く動くとあんな雲ができるのか。
シルキスは、ひとつ学びつつキーヤに訊ねた。

「魔法か?」

そのとき、シルキスの様子が変わっていることにキーヤが気づいたかどうか?

「呪いで酔っ払い状態の他に、本来の遠目、体力回復、魔力上昇が無制限で働いている」

俺達では追いきれない、キーヤは無念の表情で言った。




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