魔王さま100分の1
「おまえこそ、こっそり後をつけて覗くなよ」

「覗きません。服は着替えの手伝いが必要ないよう一人で着られるものばかりです」

「ふんっ」

魔王さまは、階段を降りていく。

で、なにか良い台詞を思いついたのだろう戻ってきた。

「では、覗きたくなったら手伝いがいるような装束を手渡すがいい。名誉を与えてやるぞ」

「覚えておきます。魔王さまも、もし僕がそんなものを渡したら本気だと覚悟してください」

「もちろんだ。本気以外ではその様なことは許さん」

決まった。
と、魔王さまの中では満足したのだろう。

魔王さまは、よりいっそう明るい足取りで今度こそ地下に降りていく。
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