魔王さま100分の1


さて、ここで情報だ。

栗の外皮にはトゲがある。
刺さると痛い。

これで君も栗博士。

栗畑に空から突っ込むことは、たぶんなくなるぞ。



「ふううう」

シルキスは身体に刺さった栗はそのままに、リズを見る。

きゅー。
リズは目をまわしている。

本当に幸い、シルキスのように栗が刺さったりはしていない。

その他の怪我も普通の塗り薬で治るレベル。

「では、眼鏡は不要ということで」

シルキスは眼鏡をそっと外して、脇に放り捨てた。

眼鏡を外したとたん、パチっと開くリズの瞳。

エルフらしい綺麗な瞳を何度も瞬かせる。

「私、どうしてこんなところでシルキスさんに抱かれているんです?あれ、泣いてるし。あれ?」

「はははははっ」
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