魔王さま100分の1
「え?」

「そんな顔をしなくてもいい。責めてはいない。下で寝てばかりの私も悪い」

「でも」

「挨拶がすんだなら、お前も帰っていいぞ。ごくろう。私は寝る」

そのとき、塔の中にある灯りはシルキスが持参したランプがひとつ。

魔王さまは、シルキスに背を向け、闇の中へ降りていく。

「待ってくださいっ。下階の様子も見ます」

「女の寝室が見たいのか?いやらしいやつめ」

シルキスの半分しかない背で笑う魔王さま。

「好きにしろ。邪魔はしない」
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