魔王さま100分の1
「で、そんな傷だらけになるほどの魅力が、あの女エルフのどこにあったのか聞かせてくれるかな?」
「こっちが本題ですか?」
「当然だ。報告書に載らないくだらない話は、直接でないと聞けないだろう?」
この役の競争率高かったんだぜと、男は言う。
警備の勇者というのは暇らしい。
「一度席を囲んだ知り合いだから、それだけですよ」
「それだけか?」
「美談があれば喜んで話しますけどね。実際、知り合ったのは昨日ですし」
「つまらん」
「面白くしたいなら、これからあそこのエルフ達と仲良くしてあげてください。中に狂犬みたいなやつがいますが、それも味なんで」