魔王さま100分の1

「で、そんな傷だらけになるほどの魅力が、あの女エルフのどこにあったのか聞かせてくれるかな?」

「こっちが本題ですか?」

「当然だ。報告書に載らないくだらない話は、直接でないと聞けないだろう?」

この役の競争率高かったんだぜと、男は言う。

警備の勇者というのは暇らしい。

「一度席を囲んだ知り合いだから、それだけですよ」

「それだけか?」

「美談があれば喜んで話しますけどね。実際、知り合ったのは昨日ですし」

「つまらん」

「面白くしたいなら、これからあそこのエルフ達と仲良くしてあげてください。中に狂犬みたいなやつがいますが、それも味なんで」
< 180 / 329 >

この作品をシェア

pagetop