魔王さま100分の1
シルキスも自分からリズ達との一件を話したわけではない。
リズ達からお土産にもらった栗の大袋の中に、丁寧にいろんなことが記されたお礼の手紙が入っていたのである。
塔についた早々『魔王さま、今回のお土産ですよー』と陽気に袋を広げたら、出てきちゃったその手紙。
可愛いエルフの女の子文字で、あんなことやこんなことが書かれていた。
「あほうが」
栗の焼け具合を感じながら言う魔王さま。
「成り行きというやつでして」
「成り行きでそこまでするから、あほうなんだ」
魔王さまは、かかとでシルキスの脚を蹴る。
少し本気なので、少し痛い。