魔王さま100分の1
シルキスは、魔王さまを追って階段を降りた。

ランプに照らされた地下は想像どおり。
床は一面埃まみれ。

木製の家具は全て朽ち、
表面も芯も劣化。

棚に収められたカップや皿は例外なく器としての価値を失って、

埃に飲まれているか、ひび割れるか、その両方。

「こっちだ」

魔王さまは、
さらに下の階にシルキスを案内し、

シルキスは寝室であるそこで、
思い切り倒壊したベッドを見た。

シーツや毛布は言葉にしたくない状態。

200年。
記録ではもっと。

誰も手入れしなかった結果の羅列だ。
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