魔王さま100分の1
塔内。
片付けをしながら、ふとシルキス。
「そういえば、魔王さまも字を書けますよね?」
「書けるが?」
テーブルに両肘をつけて、暇そうにしていた魔王さま。
「いえ、僕がここに来てから、魔王さまが文字を書いているところを見たことがないので」
「書く機会がないからな」
「ですね」
シルキスは、少し考える。
「書く以前に、魔王さまは普通に僕と人間の言葉で話してますね。魔族と人間の言葉って、同じなのですか?」
「いまさらその疑問か」