魔王さま100分の1

「では、少し魔族の言葉を教えて」
「やらん」

「なぜです?魔王さまがケチだから?」

「違うわっ。魔族の発声は、お前たち人間には少々耳障りだからだ」

「少々なら我慢します。聞かせてください」

「嫌だ。なぜ私の口で、おまえを不快にさせる音を生まねばならん」

魔王さまは、頬を膨らませて顔を横にむけた。
可愛い。

「では、歌は?魔族には人間を魅了する歌があると聞きます」

「歌か、歌なら……」

魔王さまは、口を戻した。
歌いかけて、シルキスを見る。

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