魔王さま100分の1
「あと下に数階ある。案内がいるか?」

魔王さまは、埃だらけの部屋で言った。

「必要ないなら一人で勝手に見てまわれ、私は眠い」

「そのベッドで寝るのですか?」
「いや、これはもう使ってない」

「では、どこで?」
「ここだ」

魔王さまが床を指す。

「ここ?」
「ああ」

魔王さまは、当然のように床に転がった。
目を閉じる。

「え、その、魔王さま?」
「なんだ?」

「寝るのですか」
「そう言ったろう」

「ちょっと待ってください、ずっとこんなところで?」
「最初はきれいだったぞ」

「誰も」
「誰?」

「誰も……」
「??」

「なんで?」
「なにが?」

シルキスの中で湧く、何か。

「なんでそんな当たり前の顔していられるんですっ」
「????」


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