魔王さま100分の1

「ですが、そうすると……」

「祭りの日に、私がひとりになってしまうと言いたいのか?」

「そのとおりです」

隠しても無駄なので、はっきり言う。

「外が祭りだろうとここには関係ない。私はいつものように寝ているだけだ」

「それだと寂しいですよ」
「誰が?」

「僕が」

魔王さまは、やれやれと首をふった。

「おまえ、私をかまい過ぎだ」

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