魔王さま100分の1

魔王さまの目に捕らえられたまま、シルキスは膝をつく。

目の前に魔王さまの唇。

「息をとめろ、くすぐったいのは嫌いだ」

シルキスの息がとまる。

魔王さまは髪をなびかせ、
シルキスに向って、

静かに、

ゴッ。

鼻先へ頭突きを入れた。

「踊れもしない男が、女の期待を軽く見た罰だ。反省しろ」

「あうっ、あうっ、あうっ」

顔をおさえたシルキスがごろごろ転がる。
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