魔王さま100分の1
「さて、今年一番と言うにはまだ足りんな。もう一度、食べ直しだ」
魔王さまは、テーブルに戻っていく。
シルキスも立ち上がる。
「魔王さま、今のは効きました。鼻血がでるくらい」
「このくらいしないと、おまえは反省しないだろう」
「具体的にどのあたりから反省すれば……」
「まず、高い高いは二度とするな。分かったか」
「本気で怒っていたのですね」
「あたりまえだ」
「今後は、その攻撃を避ける技術を見につけてからすることにします」
魔王さまが振り返る。
「本当に怖れない男だな、おまえは」
明るい笑顔だった。