魔王さま100分の1



「おまえが、私を起した。

「おまえが、今、私を生かしている。

「おまえなら、いつか、ただ生きているだけの私に何かを望ませる。

「感謝している。私は幸福だ。全てはおまえのおかげだ。

「だが、全てが人にとって大罪だ。

「私が、ただ生きているだけで満足できなくなったとき、

「人が、私がただ生きていることを許せなくなったとき、

「おまえが生きている間に、全てを清算しなくてはいけない時がきたなら、

「迷うな私の命で払え。

「私の自惚れだが、おまえはその時、当然するべき選択で迷うだろうから、

「それだけで十分だと今のうちに言っておく。

「ふふ、念のためだ。

「怒るなよ。

「一年で一番楽しい日になる夜祭にしてくれるのだろう。

「ふふふふふ、

「その顔では、やはり今日は塔の中に入れられないな。


「何をされるか怖くてたまらない」



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