魔王さま100分の1
最初に町長さんが、シルキスに言った。
「例の壊れた扉の件で回答がきた」
「補修のめどがたちましたか?」
「いや」
町長さんは首を振った。
代わって、軍人の代表が答える。
「扉の補修は必要ない。我々が魔王を殺す」
シルキスは、表情をたもった。
心臓も、呼吸も、発汗も変化させなかった。
会議室にある全ての目がシルキスを観察している。
「驚かないようだね」
「常に予想はしていました」
「さすが勇者だ」
代表は、笑みをつくる。
「私は、コラト。魔王殺しの指揮を預かっている」