魔王さま100分の1
「僕は、場末の野良ですよ」
シルキスは短く話す。
舌も変らず動いた。
「それでも、通常の人間を遥かに凌駕する羨ましい能力だ」
コラトは、友好をしめす声色でシルキスに言う。
シルキスは、照れた笑いを見せた。
そして、すぐに表情を戻して言う。
「魔王を殺すと言われましたが、」
この部屋で初めて魔王さまを呼び捨て。
「領内、いや領外であっても危険であると教えられてきました。このリスクを犯す意味を教えて頂けますか?」
「結論から言うと、我々は領内で安全に魔王を殺す方法を見つけた」