魔王さま100分の1

思ったとおり。
門を開けたとたん、魔王さまが出てきた。

「おーい」

両手を振り上げかけて、立ち止まる。

魔王さま、だから自分で開けないでと言ったのに。

魔王さまは、シルキスの後ろに続く兵士達を見て手を下げる。

シルキスは、小道の上を真っ直ぐすすむ。

兵士達は、花壇や畑を無造作に踏みつけて進む。

シルキスは、苦い顔で魔王さまの前に立った。

「おはようございます、魔王さま」

「おう、おはよう」

魔王さまは、いつもの顔。
金の髪が可愛らしい。

着ている服は、お気に入りなんですね。
また、あの黄色の服。
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