魔王さま100分の1

「何をだ?」

魔王さまは、笑顔。
これから殺されるというのに、困った潔さ。

「非常時には、このクワがつっかえ棒になって魔王さまを守ります」

「おまえっ、まさかっ」

叫ぶ、魔王さま。
代わって、シルキスが笑顔を見せる。

「魔王さま、僕が呼ぶまで扉を開けちゃだめすよっ」

「やめろっ、シルキスっ、やめ」

シルキスは、扉を閉めた。

「きさまっ、裏切るかっ!」

会話を聞いていた両隣の兵士が掴みかかってくる。

「ええ、裏切りです。裏切ですが、」

シルキスは、手加減無しで魔王殺しをふるう。

「僕が魔王さまを殺すと思っていたほうがどうかしています」

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