魔王さま100分の1
ついでに折れた小剣をひとつ。
「突撃ーっ」
空気を読めず、奇声をあげた指揮官風の男の額に拾われた小剣の柄が直撃する。
倒れる指揮官に誰も目を向けなかった。
魔王殺しを両手持ちにしたシルキスが、後退した囲みを正面から壊しにくる。
最初の目標にされた兵士が叫ぶ。
「うおおおおおおっ」
シルキスは、兵士が剣を上げきる前に、肩と首を間を狙って打つ。
鎧が砕け、中身を叩き、兵士の命を奪う手前、意識だけを奪って引き抜かれる。
「どううううっ」
次に打ち込んできた兵士の剣を斜めに飛ばすと同時に、鎧と中身を打ち上げる。