魔王さま100分の1
塔の外は良い天気。
土いじりには最高の日和。

シルキスは、後ろで同じ陽を受けて立つ間王さまに言う。

「ここからここまで掘り返して、レンガで囲みます」

一応、壁の内側は魔王さまの領地なので許可が必要なのだ。

「許す。やれ」
「はい」

クワを振り上げるシルキス。
このクワは、シルキス自慢の一品。

刃の部分はもちろん、柄まで全て鋼。

ここの大改装をすると誓ったときに、
支給されるはずだった剣や鎧を辞退して注文したもの。

重さも、硬さからくる身体への反動も普通とは比べ物にならないが、

シルキスに流れるらしい勇者の血は軽々と使いこなす。

一撃で魔王さまの膝半分ぐらいまで固い地面に食い込み掘り上げる。

しかも、
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